10mシンクロナイズドダイビングは、10mの高さにある弾力のないコンクリート製の飛び込み台から、2名1組の選手が同時に飛び込み、その過程の演技と2名の同調性(シンクロナイゼーション)を競う種目です。

動画は、2008年の北京オリンピックでの女子10mシンクロナイズドダイビングの様子です。

5分で分かるルール解説

試技と得点

  • 男子は4回、女子は3回試技を行います。この試技はすべて違う演技をする必要があります。選手は、この演技の種類を試技の前に予め提出しておきます。
  • 演技の種類ごとに難易率(点数)が決められています。
  • 1回の試技で、11名の審査員が演技(エクスキューション;execution)と同調性(シンクロナイゼーション;synchronicity)を採点し、それぞれが0~10点(0.5点刻み)で点数をつけます。採点のポイントは、予め提出された演技通りか・開始の姿勢・アプローチ・踏切・空中演技・入水・同調性などの要素を評価します。特に、水しぶきをあげない入水をノースプラッシュと呼び、高い点数になります。
  • 11名の審査員のうち、3人が向かって左側の選手の演技を採点(E1~E3)、3人が右側の選手の演技を採点(E4~E6)、5人が両選手の同調性を採点(S1~S5)します。そして、E1~E3、E4~E6、S1~S5それぞれの最高点と最低点を除く5個の採点の平均点を3倍して難易率を掛けた値が得点になります。
  • 男子は4回、女子は3回の試技の得点の合計点を競います。

演技と種目の種類

  • 演技の種類は、「技の種類(飛び込みの開始方法)」「途中宙返り(フライング)の有無」「宙返りの回数」「ひねりの回数」の組み合わせで決まります。
  • さらに、種目の種類は、上の演技の種類に加えて、「飛び込み時の基本姿勢の型」の組み合わせで決まります。この種目の種類ごとに、難易率が決まっています。

演技と種目の詳細

  • 技の種類(飛び込みの開始方法)は6つあります。
演技種目名 英語名 説明
1群 前飛込 Forward 飛込台から前に向いて、前方に回転する
2群 後飛込 Back 飛込台から後に向いて、後方に回転する
3群 前逆飛込 Reverse 飛込台から前に向いて、後方に回転する
4群 後踏切前飛込 Inward 飛込台から後に向いて、前方に回転する
5群 捻り飛込 Twist 第1群から第4群までの種目に捻りを加える
6群 逆立ち飛込 Armstand 飛込台上で逆立ちをしてから演技を行う(高飛込のみ)
  • 途中宙返り(フライング)とは、90度以上の回転を伸び型(後述)で行うことをいいます。途中宙返りを行うと、通常の技より難易率が高くなります。
  • 宙返りの回数、ひねりの回数が多いほど、難易率が高くなります。
  • 飛び込み時の基本姿勢の型は、4つあります。
記号 型名 英語名 説明
A 伸び型 Straight 腰および膝を曲げず両足をそろえた型。宙返りにはあまり適さない。
B えび型 Pike 身体を腰で折り、膝を曲げず両足をそろえた型。柔軟性が必要。
C 抱え型 Tuck 身体を小さく丸め、膝を曲げた型。最も宙返りに適する形。
D 自由型 Free A・B・Cいずれの型を組み合わせても良い。(ひねり技のみ。)

金メダルへの道

  • 予選・準決勝のようなラウンドを分けずに、決勝のみ1つのラウンドを行います。